† of Pupil~瞳の魔力
けれど、ここ数日そんな単語、ニュースでも聞いていない。なんでそんなことを言うのだろう。
思っていると、声のほうが動揺した。
「まさか……知っているのか? ボクのこと。ボクのしていることを。――いや、そうか。それも当然か」
いや、それは動揺というよりも、驚嘆というほうが相応しい気がした。
同時に感心。
だれかが気付くのを期待していたいたずらに、ようやく一二三さんがチェックをかけた。
今このタイミング、今この瞬間、今この状況を待ち望んでいたかのような、どこか満足げな声だった。
「ふう、ん。その反応からするに、やはり犯人はお前なの」
なにかを確信してうなずく一二三さんの目は、相変わらず閉じられている。
が、いきなり、開いた。
「六条賢一!」
「あ、はいっ」
射を撃つかのような鋭さで名指しされ、肩が跳ねる。
一二三さんの細い指が、宙へ穴を開けるかのごとく、ぴしゃりとまっすぐ伸ばされる。
それは、
「あそこにいるヤツに、『目』をつけろ!」
声の主がどこにいるのかという、指示だった。
思っていると、声のほうが動揺した。
「まさか……知っているのか? ボクのこと。ボクのしていることを。――いや、そうか。それも当然か」
いや、それは動揺というよりも、驚嘆というほうが相応しい気がした。
同時に感心。
だれかが気付くのを期待していたいたずらに、ようやく一二三さんがチェックをかけた。
今このタイミング、今この瞬間、今この状況を待ち望んでいたかのような、どこか満足げな声だった。
「ふう、ん。その反応からするに、やはり犯人はお前なの」
なにかを確信してうなずく一二三さんの目は、相変わらず閉じられている。
が、いきなり、開いた。
「六条賢一!」
「あ、はいっ」
射を撃つかのような鋭さで名指しされ、肩が跳ねる。
一二三さんの細い指が、宙へ穴を開けるかのごとく、ぴしゃりとまっすぐ伸ばされる。
それは、
「あそこにいるヤツに、『目』をつけろ!」
声の主がどこにいるのかという、指示だった。