† of Pupil~瞳の魔力
人だかりのせいで僕たちは掲示板から三メートルほど離れてるし、彼女・大竹幹はメガネをかけてはないけど、目がいいというわけじゃない。
見えないのも仕方がない。
「ごめんごめん」
と謝って、僕は空中に指を走らせた。
「『風』に『間』と『一』『二』『三』が並んでる」
「…………ごめん。君の説明は恐ろしく伝達されにくいね。隠喩なの? 直喩なの?」
「……そもそも比喩じゃ、ないんだけど……」
下手だろうか、僕の説明。ざっくばらんな性格をしている幹に言われると、ひどくこたえる。
これ以上説明しても、たぶん要領を得ないままぐだぐだになってしまうかもしれない。
幹に何度眉をしかめられることを長い付き合いから想像した僕は、名前の読みを聞くのを諦めた。
見えないのも仕方がない。
「ごめんごめん」
と謝って、僕は空中に指を走らせた。
「『風』に『間』と『一』『二』『三』が並んでる」
「…………ごめん。君の説明は恐ろしく伝達されにくいね。隠喩なの? 直喩なの?」
「……そもそも比喩じゃ、ないんだけど……」
下手だろうか、僕の説明。ざっくばらんな性格をしている幹に言われると、ひどくこたえる。
これ以上説明しても、たぶん要領を得ないままぐだぐだになってしまうかもしれない。
幹に何度眉をしかめられることを長い付き合いから想像した僕は、名前の読みを聞くのを諦めた。