If
悲劇
中谷優希。
それは、好村の好きな女の子。
そして・・・・あたしの友達だった。
どうして好村はあたしの周りの子を好きになるの・・・・?
どうしてあたしじゃないの・・・・?
涙が出そうになったから目を強くこすった。
とりあえずこの経緯を親友の井上優香に話した。
「・・・そっかぁ。優希のことがねぇ・・・・。」
優香は優希の親友でもある。
「うん・・。諦めろってことだよねーー。」
「う~ん。・・・まぁ、美希ならいい恋できるよ!」
優香は笑って言った。
いつもならきっと笑って諦められる。
でも、この恋は諦められない。
「まぁ、とりあえずはこのまま好きでいるしかないかな・・・。とりあえずこの話は内緒ね!!」
「ん、そっか。了解!」
不思議と優香がそっけない。
優香は他人のことに興味がない。
それなのに自分のことはすぐ聞いて欲しがる。
そこが困るところ。
まぁいいところもあるんだけど。
でも・・・・あたしがおもってもないことが起きてしまった。
ある日菜緒からメールがきた。
「美希って好村が好きなの?優希に聞かれて・・・・。」
なんで優希や菜緒が知ってるの・・・?
言った人なんてあの子しかいない。
優香だ。
「優香、あたしの好きな人のこと優希に言った?」
優香は微妙に顔をひきつらせる。
「・・・言ってないよ。ただ好村のことを好きな子がいるって言っただけだよ!?」
どうして嘘つくの・・・?
優希に言ったって素直に言ってよ。
許せなくなるじゃん。
「・・・・そっか。言わないでね!!」
「うん、もちろん!」
優香は笑ってそう言った。
そんなこと平気で笑って言うんだね。
・・・・・言ったくせに。
もう何もかもやだよ・・・・。