If
恋心
結局しばらくすると優希と好村は付き合った。
こうなることはわかってたつもりなのに。
二人が笑って話してるのを見ると涙が出てきてしまう。
でも、一週間もすると自然になれてきた。
前にあたしがぶちってしまったメールも、もう返していない。
だから、もう忘れられると思ったのにー・・・
あれは文化祭シーズンのこと。
あたしは衣装係で遅くまで残っていてやっと終わり帰ろうとしていた。
教室を出ると、そこには好村がいた。
先生と何か話している。
「先生~。失くしたプリントくれよ~!」
「もう無くなったってば!」
先生と好村の会話が聞こえる。
「ええ~・・・。くれたっていいじゃんかよー。なぁ吉田!?」
急にあたしに話を振ってきた。
話を振られたことより、好村が話しかけてきたことに心臓がドクドクいっていた。
「う・・・うん。」
あたしは恐る恐る返事をした。
あたしが帰ろうと後ろを向いたとき。
「あっ、吉田!!」
好村があたしの名前を呼ぶ。
「おまえ、いい加減メール返せよ!」
「!!」
「お前とのメール結構おもしろいんだし。」
自分でも心臓がバクバク音を立てているのがわかる。
「うん!わかった!帰ったらメールするよ!」
「おう。」
あたしはやっぱり好村が好きなんだ。