流れ星の夢


先生が出て行くと、藍と夕夏が入ってきた。


「柚夏子先生は一度学校へ戻るって…」


「そっか、夕夏ありがとう。」


あたしは軽く夕夏にお礼を言った。


「奈乃華。」


そのあとに藍の真剣な声が聞こえた。


「どしたの?そんな真剣な顔して。もっと笑ってよ?」



「……わけない」



「え?」


よく聞こえなかったので、もう一度聞き返すと藍はあたしの目を見て言った。


「笑えるわけないじゃん!奈乃華が…奈乃華が死ぬかもしれなかったんだよ?いなくなっちゃうかもしれなかったのに……」



「藍……ありがとね?大丈夫。だって今、あたしはここにいるでしょ?」


「うん…」


「なら笑って!残りの人生は笑顔で過ごしたいの。」


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