嘘だと言ってくれないか
「ねぇ、君はこの世の中をどう思う?」
青年は自嘲気味に言った。
「僕は時々思う。生まれてくる時代を間違えたって。だから、この世界で……僕は僕を見つけられないんだ。」
じゃあ俺も、生まれてくる時代を間違ったのか?
もっと別の世界に生まれていれば、俺は俺を見つけることが出来たのか…?
人の命を絶つことで、自分の生を実感する必要もなかったのか?
俺は
俺たちは、
未だ自分探しの旅の途中。