泪澪泡沫
視
つまらないな
平凡な授業も、異常しか捉えないニュースも
「次の問題だが―――河口。」
「はい。」
教師は黒板の前でチョーク片手に私達に視線を向ければ、私を指名した。
返事をし、立とうとするが…グラリと立ち眩みが起こる。
「大丈夫か?」と声を掛けられるも、何とか問いの答えを言い席に座る。
「河口さん、具合悪いなら無理しないで保健室行きなよ?」
「ん、ありがとうございます…でも中谷さんに迷惑は掛けられないので。」
前の席の中谷さんに小声で言われた言葉は、「授業サボりたいんだよね、上手く繕えよ」としか聞こえない。
柔らかく却下してみたら、案の定舌打ちされた。
何て分かりやすいの?
「……たくない」
再びグラリと目眩がする。
普段存在を主張する頭痛も更に強い物になる。
私は両目に手を宛がった。
「…おい、河口どうした」
教師が近付いて来る。
躊躇するまでもない、逝け。
私は、自らの両目を潰した。