紙ヒコーキ〜初めての告白〜
懍が紙と格闘しながら、
俺が教えたやり方で紙ヒコーキを作っていく。
「あれ?…こう?」
『そうそう♪』
なんでもないことかもしれない。
紙ヒコーキの作り方を教えて、一緒に作るなんて……。
でも俺にとっては、これから生きていくのに必要と言ってもいいくらい、懍といるこの時間が大事だ……。
ポッケに手を入れると、さっきヒカルから借りて、返し忘れたシャーペンが入ってた。
それで紙ヒコーキの羽に名前を書いた。
し り
ゅ ん
ん
『記念なっ♪』
そう言って、俺は屋上からその紙ヒコーキを飛ばした。
*