紙ヒコーキ〜初めての告白〜
最近少しずつ懍と話す機会が増えて、俺は毎日楽しく過ごせるようになった。
懍と話すようになってからは、遅刻癖も少なくなって来たと思う。
もしかしたら、朝会えるかも……そんな期待がどこかにあるから。
今日の下校は珍しく、俺1人。
いつもだったら友達と5・6人で帰ってるけど…ちょっと教室に残って担任と話してたら、置いて帰られた……
1人とぼとぼ正門に向かう。
コツンッ
『ん?』
後ろから頭に何かが当たった。
紙ヒコーキだった。
『…これ……』
よく見ると、その紙ヒコーキの折り方は、この間俺が開発した最新版。
なぜここに?と思って辺りをキョロキョロ見回す。
すると正門付近にもう1つ紙ヒコーキを見つけた。
この折り方を知ってるのは…この前、紙ヒコーキの作り方を教えた懍だけだ…。
今日の朝配られた保健だよりとかで折られた紙ヒコーキ……
ひっくり返すと裏面にピンクの文字が見えた。
紙ヒコーキを広げてみる……。
『……っ!!』
俺は走りだした。
*