紙ヒコーキ〜初めての告白〜





2階の1年生の教室から懍が手を挙げて顔を出していた。







見つけたっ………








『そっから動くなよ!!?』



そう言って俺はダッシュで生徒玄関に向かう。



靴を脱ぎ捨てて、上履きも履かずに2階への階段を駆け上がる。






懍のいた教室に着くと、ぽかんとした顔の懍が窓際に立っていた。







『…ばか。』


「えっ?」


『こんなもん飛ばすなよっ!』




俺は広げた紙ヒコーキを懍に向かって突き出した。





「えっ?なんでそれ…」


『ここに書いてあること本当?』




懍の顔がみるみる内に赤くなっていくのが分かった。






「…はい。」


『よかった〜〜…』



その一言を聞いた俺は、安心してその場に座り込んだ。





*
< 21 / 25 >

この作品をシェア

pagetop