紙ヒコーキ〜初めての告白〜
2階の1年生の教室から懍が手を挙げて顔を出していた。
見つけたっ………
『そっから動くなよ!!?』
そう言って俺はダッシュで生徒玄関に向かう。
靴を脱ぎ捨てて、上履きも履かずに2階への階段を駆け上がる。
懍のいた教室に着くと、ぽかんとした顔の懍が窓際に立っていた。
『…ばか。』
「えっ?」
『こんなもん飛ばすなよっ!』
俺は広げた紙ヒコーキを懍に向かって突き出した。
「えっ?なんでそれ…」
『ここに書いてあること本当?』
懍の顔がみるみる内に赤くなっていくのが分かった。
「…はい。」
『よかった〜〜…』
その一言を聞いた俺は、安心してその場に座り込んだ。
*