紙ヒコーキ〜初めての告白〜
「先輩…なんで?」
不思議そうな顔で懍が言う。
『帰ろうとしたらさ…頭に、飛んできた紙ヒコーキが当たって…』
懍の目を見ると…なんとなく分かる。
「それだけで?」って顔してる。
俺は詳しく話す。
『この紙ヒコーキの折り方…俺が考えたやつでさ、この折り方知ってるの……俺以外は懍だけだから』
「うそ……」
驚いた表情の懍に、俺は近くに来るよう手招きする。
そろそろと近寄ってきた懍は、俺の向かいにちょこんと正座した。
『理由…教えてあげる。』
ボソッと懍に聞こえるくらいの大きさで言った。
「……??」
でも懍は、その一言だけで理解できなかったらしく首を傾げた。
『追っかけた理由だよっ!』
「ああ!」
そう言ってやっと理解したらしい。
だけど、追っかけた理由を話すのは…告白だ。
でも覚悟は決めた。
俺は軽く天井に目を移しながら口を開く。
『誤解してほしくなかったんだよ、懍には。』
懍に視線を戻すと、懍は真っ直ぐ俺を見ていた。
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