紙ヒコーキ〜初めての告白〜
『ずっと好きだったのは…お前だけじゃないからな?』
懍の目をしっかり見て言った。
「へ?」
きょとんとした顔を向ける懍。
『その顔は分かってないな〜?』
「ご、ごめんなさい;」
やっぱりきちんと『好きだ』と言わなければ、気持ちなんて伝わらないのか…
…と思って、俺は息を整える。
『俺も好きなんだよ、懍のこと!……ずっと前から』
「―――…っ!?」
これはさすがに伝わった。
懍の顔はゆでダコみたいだ。
そしてなぜか懍の両目からは、溢れだすように涙が流れ出た。
『なんで泣く〜?;』
「う、嬉しくて〜;;」
無性に…泣きまくる懍の少し乾いた唇に、自分の唇を重ねたくなった。
でも俺はそれを堪えて…泣き止んでほしいと思って、頭をなでた。
*