紙ヒコーキ〜初めての告白〜





その子は空いている席に向かっていく。












さっきの空席…

この子だったんだ。










俺はその子の机の横に立って、花を差し出した。





『名札の隣につけてね♪』


目一杯の笑顔で渡した。






「ありがとうございます♪」


その子はニコッと笑って花を受け取った。










名札を見ると……



“中野 懍”



と書いてあったが……







俺はバカだったから、“懍”という漢字が読めなかった……。






それでも“中野ちゃん”と、名字だけ覚えた。

















それが俺と懍との出会い。


きっと懍は気づいてなかっただろうけど…


俺が一目惚れした瞬間だった。





*
< 3 / 25 >

この作品をシェア

pagetop