世界中を敵にしても君だけは離さない
「レヴァルド様。ご報告がございます。」
執務室で雑務をこなす、皇帝、レヴァルドの前に側近が報告にやってきていた。
その姿を一瞬視界へ入れて、また手元の書類へ目を落とす。
「手短に話せ」
「はっ!先程、我が龍人族の領域に人族の女が侵入し、現在はこの城の地下牢に投獄してあります」
「人族の女が一人か?」
「はい。仲間らしき者は見当たらず、女も意識を失って人族の境に程近い山岳の麓に倒れていました。意識はまだ戻ってはいませんので領域に侵入した経路は分かっていません」
「分かった。とりあえず、女の様子を見に行く。意識が戻り次第、女の処遇を決める事とする。案内しろ」
「はっ!」