世界中を敵にしても君だけは離さない
「女。起きろ」
レヴァルドの低い声は辺りに響き渡ったが、女が目覚める気配は感じない。
レヴァルドは腰を折って女の肩を揺すった。
すると、女の顔を覆っていた長い髪がなくなり現れた女の顔はこれまで見た事がない程、美しかった。
癖のない真っ直ぐな銀色の髪は腰辺りまで伸び、肌の色はまるで雪のように白い。
閉じられた目からは瞳の色は分からないが長い睫毛に縁取られ、唇は可愛らしいピンク色をしている。
レヴァルドは自分の中に沸き上がる感情を必死で抑え……
早く目を覚ませ!!そして、俺を見ろ!
と思った、次の瞬間。
長い睫毛に縁取られた目がゆっくりと開き、まるで宝石のような紫色の瞳が現れた。
女の顔を見たレヴァルドは心臓が爆発しそうなくらい音をたてていた。
「………あの………どなたですか……?」