世界中を敵にしても君だけは離さない
レヴァルドは今いる場所がローズには相応しくないと思った。見た所ローズに害はなさそうであったし、全身が薄汚れているので風呂に入れて、服を着替えさせ、怪我の治療もしなくてはならない。
レヴァルドはローズを横抱きにして牢から出た。
「侍女を呼べ」
側近に伝えると、足早にその場を後にした。
「あ、あの……私を出しても良いのですか?」
「構わん。害はないと判断した。落ち着いたらじっくり話を聞かせてもらうがな。それまではここに滞在してもらう」
「私など、置いて大丈夫なのでしょうか……?」
「ここに俺に意見する者はいない。お前は気にしなくていい」
そしてレヴァルドがローズを連れて来たのは彼の私室だった。