ブサもさ男の正体!?
秦side



帝に気づかれるとか


どんだけ・・・。


あいつ鈍感なのに


つか、帝に背中押されるとか情けない



あぁー


心臓うるせぇ


手汗半端なっ!


どんだけ、俺緊張してんだろ


確か、ここら辺の気だよな・・・。


上を見上げると、人影がある



秦「おーい」


愛希「はーいよ? あっ! 秦」


愛希が俺の名前を言うと


愛希の目の前にいる人影がビクッっと動く


たぶん、楓だよな・・・?


秦「楓いるか?」


愛希「いるよー」


秦「呼んでもらえるか?」


愛希「だってー、楓」


そしたら、木の上から


人が下りてきた


秦「ちょっとこっち来てくれるか?」


楓はうなずくだけ


多分、いつもだったら顔もちゃんと見てくれるんだろうな


今は、ずっとうつむいてるだけ



空教室に入って


楓の方に向く


俺がむくと楓はすぐに顔をうつ向けた


ちょっと、傷つく



秦「あのさ・・・。楓」


それだけ言っただけなのに

楓の体はビクッとする


そんなに怯えさせてんのは俺・・・なのか


帝の言ってた通りだな


だから、最後に楓に触れたい


強引だけど俺は楓を抱きしめて



秦「今まで中途半端な行動してごめんな

俺、お前のこと好き

だけど、あきらめる

気持ちだけ伝えたかった

もう、近寄らないし 触らない・・・・。」




最後に顔が見たい


楓の顔を上に向かせて



秦「怯えさせてごめんな

キッパリ、振ってくれ・・・・

あぁー、でも

手紙で振ってくれる?

直接だと・・・つらいから」



楓は何も言わない

いいってことだよな


秦「今まで、ありがと」


うわぁ~

なんか、泣きそう


俺は帝のいる屋上に戻る



秦「ただいま」


帝「おかえり」


秦「振られた…と思う」


帝「そっか・・・。」


秦「まぁ、星の数だけ女がいるっていうしな」


帝「太陽は一つしかないぞ」


秦「・・・・。何そのロマンチック発言」


帝「なんとなく」


秦「なんとなくかよ・・・。」


帝「へこんでんのかお前?」


秦「へこまないようにしてる」


帝「なんだそれ」


秦「涙腺がヤバい・・・。」


やばい。


声震えてきた


俺は顔を隠すように手で覆う


帝「泣きたいときは泣けばいい」


秦「な・っんで、そういうこと今・・いぅかな。」


帝「お前が泣くの我慢してるから」


秦「あた・・っ・・りまえだろ」


帝「ほら、やっぱり太陽は一つしかねぇじゃん」


秦「意味わかんない」


帝「いつも照らしてくれんのは楓ってこと」


秦「・・・・うぅ」



end

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