ブサもさ男の正体!?
雄太「なんでさっき言わなかった?」
全部正直に言わないとあとが怖ぇ
帝「あの場は愛希がいたから」
雄太「確かにいい判断だ。
でもな、もし 俺たちがあの場につかなかったとしたら
あいつら、どうなってたと思う?
なぁ? 二人とも」
秦「多分、あの世・・・。」
雄太「多分じゃねぇだろがぁ!」
秦の方がビクッと震える
帝「すいませんでした」
俺は秦を隠すように頭を下げる
雄太「今は謝って済むかもしんねぇけどなぁ?
謝まって済まなかったらどうすんだよ、あ?」
帝「でも、心配掛けたくないじゃないですか!」
雄太「アホか? あぁ? 心配掛けたくない?
心配掛けたくないっていう前に、もし
そのせいで5人もの命がなくなったらどうするんだよ?
さっきまでその状況だったんだろ?」
雄太さんが言葉を発するたびに秦がビクビクする
すると、奥の扉が開いた
愛希のお父さんが出てきて
父「一命は取り留めたが、意識不明だ」
愛希のお父さんの言葉がグサリと心に刺さった
『意識不明』
無意識に体がカタカタと震えてくる
ふいに、雄太さんに手を引っ張られた
秦も引っ張られたようだ
二人して雄太さんの胸にダイブ
ムギュと雄太さんの胸に押し付けられて
少し息ができない
しばらくしてから頭上から
雄太さんが話しかけてきた
雄太「おい、何二人して震えてんだよ
お前らいちばんしっかりとしなきゃならないんだぞ
今回は間違った判断したが、それはちゃんと
考えがあったんだろ
でもな、人の命に代えられるものは何もないんだぞ
それだけはわかっておけ
大丈夫だから・・・。」
雄太さんの声はさっきと違って
優しくて、とても穏やかで
心地が良かった