ブサもさ男の正体!?

帝「俺ちょっと散歩行ってきます」


雄太「行くな」


帝「大丈夫ですよ」


雄太「行くなっ!!」


父「雄太落ち着け、大丈夫だ」


愛希のお父さんが雄太さんを落ち着けている間に

俺は静かに家を出た


行く先なんてどこでもいい

ただ、きっと俺はあの空気から

逃げ出したかったんだ


そうじゃなければ、俺は


あの中で声を出して泣いていた


行き当たりばったりふらふらと歩いていた



何時間歩いたのだろう


変なところに来てしまった


ここはどこだ?


あたりを見回しても本当にどこかわからない



目の前には草むら


なんだこれ


俺はかき分けて中に入っていく


俺は絶句した


あのブログで見た光景と同じだったからだ


『枝垂桜』


今、夜だから

本当にあの光景と同じだ

写真もきれいだったが

本物のほうがもっときれいだった


帝「すげぇ」


すると、桜の木の後ろに人影があった


「あらま~?最近人がいっぱい来るね」

帝「あ、先客」

「いいよ、いいよ。見ていきな」

帝「どうも」

俺は反対側の木の根元に座り込む


「あんたはなんでここに来たんだ?」

帝「適当に散歩してたら」


「フフッ(笑)あの女の子と似てるな」

帝「女の子?」


「うん、すごいかわいい子だった

でもなんか悩んでるようだったな」


帝「女の子ですか。知ってるかもしれません」


「そうか、じゃ力になってあげてくれないか」


帝「相談していいですか?」

「俺にか?」

帝「ええ」


「いいだろう」



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