俺様ヤンキーと切ない恋の途中で。
‐ブブブブ、ブブブブ…
俺が握っている携帯が震えて、受信メールがあること知らせる。
ベンチに寝転がった体を、勢いよく起き上がらせて、受信メールを確認するべく、携帯を開いた。
「うおっ…!」
……まさかのりさからの返信。くるとは、思ってもいなくて、頭がフリーズする。けれど、喜ぶのは、まだ早い。
文句が書いてあるかもしんねぇ。あの痴漢野郎みてぇに言われるかもしんねぇ。
女一人ごときに、俺らしくねぇけど。
うざいとか、キモいとか、低脳とか、そこらの野郎には、腐るほど言われても構わねぇが、りさに言われるのだけは…。
嫌な予感だけを胸にメールを開く。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
勝手に、りさとか呼ばないで
許可した覚えないんだけど
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
俺って、やっぱり馬鹿。
「…くくっ、!」
文句が書いてないだけで、嬉しくてしょうがない。しかも、りさらしい、返信で笑いが込み上げる。
「やっぱ、おもしれぇやつ」
ますます、ほしくなる。どうしようもなく、りさがほしくなる。
なにがなんでも、手に入れたい。ほしい、りさが。
こんな、本気になったの初めてだ。
きっと、りさは俺の初恋。いや、間違いなく、りさは俺の初恋の人だ。