俺様ヤンキーと切ない恋の途中で。
顔を見たい。声が聞きたい。嫌な顔されてもい。どんな毒吐かれてもいい。
無性に、りさに会いたくなって、屋上を飛び出した。まだ一限目が始まる前。移動してるやつもいれば、教室にいるやつもいる。
…りさって、何組だ?
考えてみれば、俺はりさのこと何にも知らないと気づく。
「なあ、大塚りさって何組!?」
廊下を歩いていたやつを、適当に捕まえて問う。
探してる暇なんてねぇ。早く会いてぇし、一限目が始まる前に、会っとかねぇと。
「え…、えっと…っ」
早く言えよ。そんくらい、さっさと言えねぇのかよ!
「五組だよ!」
俺と、こいつの間に遥斗が割って入る。
「りさちゃんは、五組。
ほら~会いに行くんでしょ~?あと五分しかないんだから、急ぎなよ!」
「…おうよ!」
遥斗が、俺の背中を力強く叩いた。少し痛かったけど、気合いが入る。
楽しそうに笑う遥斗を背を向けて、三組目指して走り出す。
りさに会いてぇ。早く、早く。