俺様ヤンキーと切ない恋の途中で。



「またくるからな、りさ!」




そう叫んで、手を振ると、りさは俺を見て、大きなため息を吐いた。



何気に、本気のため息は傷つくじゃねぇかよ…!



なんて、思ったのも一瞬。




「はいはい…どっか行って~」




俺を帰らせるためだったのかもしれない。



ただ邪魔だったからってだけなのかもしれない。



例え、そうだとしても、嬉しい。本当に。心が張り裂けそうなくらいに嬉しい。



ひらひらと、りさが俺に手を振ってくれた。



どこまで、俺を虜にするつもりだ?どこまで、俺を本気にさせるつもりだ?



りさに手を振ってもらったのを、後に俺は屋上へと足を進めながら、考える。りさのことを。



…恋って、こんなに楽しいもんなのか?こんなに嬉しいもんなのか?



もっと早く気づけばよかった。なんて、思ったけど、きっと俺はりさじゃなねぇと気づけなかったはずだ。恋の楽しさにも嬉しさにも。



結局、今日こうして、りさに会えたからこそ、恋を知れた。本気になれた。



りさが好き。こんなに女に惚れるとは思わなかった。遊んでばかりの俺とは、もうおさらばだ。



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