俺様ヤンキーと切ない恋の途中で。
って、りさで頭がいっぱいなまま、階段をのぼる。
屋上のドアを開けるときに、一限目の始まりを表すチャイムが鳴る。
授業に出席しない俺には、どうでもいいものだけど。
屋上のドアを開くと、ギィと音を立てた。冷たい風が、吹く。
だれもいないのを、確認して屋上に足を踏み入れ、ベンチに寝転がった。
さっきまで、走っていた俺からすれば、この冷たい風も、心地いい。
寝転がったままの状態で、俺はりさのこと思い出しながら、目を閉じた。
想像する、りさが笑っているところを。けれど、今になってりさが俺に笑ってくれたことがないと、気づいた。
りさから見れば、俺は今日会ったばかりの不良野郎って、ところだろう。
これから、もっとアピールしねぇと。今ごろ、そんなことを思う。
どうしたら、振り向いてくれる?どうしたら、必要としてもらえる?
いろいろ考えてくうちに、俺はいつのまにか、夢に引き込まれるように、眠りについていた。