俺様ヤンキーと切ない恋の途中で。
「なに、固まってんの」
そこには、冷たい表情のりさ。自分の言葉で、俺が固まってるなんて、思っていないようだった。
「…さっきの本気で思ってんの?」
「は?さっき?
…あぁ、なんで私があんたに、わざわざ嘘吐くのよ…吐くわけないでしょ」
りさは呆れた顔を浮かべる。
今の自分の発言が、どれだけ俺を惑わしてんのか、わかってんのか?
喜びにも似た感情に、胸が鼓動を打ってドキドキと、鳴る。
「悔しいけど…顔だけだからな顔だけ」
眉を下げて、呆れたような顔をした、りさは少しだけ口角を上げて笑った。
まるで、全身に電流が走ったようだった。息が詰まる。瞬きさえも惜しい。初めて向けられた、りさの笑顔が目に焼き付いて、離れない。
「…お前、なに見てんだよ」
さっきの笑顔とは裏腹に、いつもの冷たい顔。俺は、そのままのりさが好きだから、冷たくてもなんでも、りさがりさである限り、嫌いになることはない。
むしろ、惹かれていくばかりだ。
大好きだ、りさが。もっと…りさを知りてぇ。もっと…りさといてぇ。もっと…もっと。
もう、りさしかいらねぇ。