俺様ヤンキーと切ない恋の途中で。
りさは、本当にお腹が痛いから、辛くて泣いているのか、お腹が痛いのは嘘で、ただ俺らから逃げるための口実だったのか。
そう考えてみたけれど、りさが辛くて泣いているのは、紛れもない事実で。
やっぱり、心配。
りさのことは、完璧に理解してないし、きっと俺は、りさのほんの一握りしか、知らない。
泣き続けるりさに、何の言葉もかけられずに、りさを見守る。きっと、りさは俺の存在に気づいていないのだろう。
思う存分、泣いたあと、りさは泣き疲れたかのように、だんだんと落ち着いてきて、寝息を立て始めた。
「…やっと落ち着いたか」
安心した、りさが泣き止んだから。
その寝息を聞いて、俺は保健室の端にあるイスを、りさのベットの横において座った。
ゆっくりと、頭の先まで被ってあった布団をめくると、りさが、すぅすぅと寝息を立てていた。
思わず、可愛いりさの寝顔に見とれる。よく見ていると、りさの長い睫毛に、小さな雫がついていた。
「どうしたんだよ…りさ」
あんなに、強気だったのに。その裏で、泣きたいくらい辛い思いしてきたのか?ずっと、抱え込んできたのか?
りさの睫毛に触れて、涙を拭き取る。さっき泣いてたのが、嘘のように、りさは幸せそうに寝ていた。