俺様ヤンキーと切ない恋の途中で。
りさが、目を覚ましても、幸せそうにしていてくれ…って願いながら、りさの頭をそっと撫でた。
俺の指の間を、りさの少し茶色のかかった髪が、すり抜ける。
あぁ、愛しい。狂おしいほど、惚れている。
りさの夢の中に、だれがいる?俺はいる?なぁ、りさ。好きになってくれ、俺を。逃げないでくれ、嫌わないでくれ。
なんだか苦しくてしょうがなくなってきた。こんな感情になるのは、初めてだ。
「…木島くん?」
突然呼ばれた、自分の名に驚いて、勢いよく振り替える。
そこには、いつのまにか保険の先生がいた。
俺は、イスから立ち上がり、ドアに向かって歩きながら、先生言った。
「…先生、りさには言わないでくれねぇか?
木島元樹が、ここに来てたこと」
「……わかったわ。言わない」
少しの沈黙の末に、聞こえた返事を聞いて、俺は保健室を出て、またいつものように、屋上に向かった。