俺様ヤンキーと切ない恋の途中で。
「ほらほら、座ろう~」
俺の腕を引いて、ベンチに座る。
さっきまで、りさが座っていたベンチ…なんて、りさがここにいるわけでもないのに、突然恋しくなる。
「あれ…パン食ってないの?
……あ、りさちゃんとこ行ったんだっけ?」
「おう、行ったぜ。
そんで、食えなかったんだ」
今さらだけど、購買で買ったパンに、かじりつく。
食いながらも、りさにいつお金返そうとか、またりさのことを考える。
「てか、りさちゃんのこと、そんなに好きなの?」
少し遥斗の顔が、歪んだ気がするが、きっとそれは、ただの見間違い。
だって、今の遥斗はいつもどうりの笑顔でいるから。