俺様ヤンキーと切ない恋の途中で。
それからは、ずっとお互いに話さなかった。
遥斗との沈黙は、居心地悪いというわけでもなく、どちらかというと良いほうだった。
校舎内から、チャイムが聞こえる。
「じゃ、俺部活行くね~」
それを聞くと、遥斗がベンチから立ち上がった。
「は?6限目は?」
「ないよ、今日は」
遥斗は、可笑しそうに笑ったあと「何にも知らないんだから」と、付け足す。
「じゃ!部活に入ってない元樹くんは、帰りなさいよ~」
ひらひらと、手を振って、遥斗は屋上から出ていった。