俺様ヤンキーと切ない恋の途中で。




俺は、話した。今日の朝から放課後のこと、全て。





ときどき息詰まって、途切れ途切れに話す俺の話を、姉ちゃんは頷きながら、聞いてくれた。






「あの元樹が…ついにか」






そう言って、姉ちゃんはくすっと一度笑う。





なにが面白いのか。俺は、こんなにも沈んでいるというのに。






「私も、高校生のころは、そんなことあった気がして…ごめんね、笑っちゃって」






「……え?」






「そういうことは、恋には付き物なのよ。

本当に、その人を好きになっちゃうと、全然大したことないのに、頭から離れなくなっちゃっなり…ね?」






姉ちゃんは今、高校生から付き合っている彼氏がいる。





姉ちゃんは、自分と彼氏の高校時代を思い出しているんだろうか。




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