俺様ヤンキーと切ない恋の途中で。






「…お腹、大丈夫だった?」





「あー…うん、全然大丈夫」






どこか気まずさが生まれる。





二人とも、中学生のころから、なにも変わってないのに。





遥斗の無駄に心配性なところも、苦しそうに眉を下げて笑うところも、どこか落ち着きをくれる声も、私の知っている遥斗のまま。





きっと、変わってしまったのは、二人の思い。





私が遥斗に対して、好意を抱いてるのは変わらないけれど、こうやって話せていることが素直に嬉しいと思えない。






「…変わんないね、りさちゃんのその癖」




「……え?」






遥斗は、くすっと笑った。





すっかり色褪せていた遥斗の笑顔。今、この瞬間に、それは鮮やかなものに変わっていくようで。





また心がくすぐられるのだ。





また、苦しくなるのだ。



< 61 / 68 >

この作品をシェア

pagetop