俺様ヤンキーと切ない恋の途中で。
「…お腹、大丈夫だった?」
「あー…うん、全然大丈夫」
どこか気まずさが生まれる。
二人とも、中学生のころから、なにも変わってないのに。
遥斗の無駄に心配性なところも、苦しそうに眉を下げて笑うところも、どこか落ち着きをくれる声も、私の知っている遥斗のまま。
きっと、変わってしまったのは、二人の思い。
私が遥斗に対して、好意を抱いてるのは変わらないけれど、こうやって話せていることが素直に嬉しいと思えない。
「…変わんないね、りさちゃんのその癖」
「……え?」
遥斗は、くすっと笑った。
すっかり色褪せていた遥斗の笑顔。今、この瞬間に、それは鮮やかなものに変わっていくようで。
また心がくすぐられるのだ。
また、苦しくなるのだ。