斜め上75度の景色。



「次、どこ行くんだよ」



「次は、学校!」



「は?学校?」



「なんで学校?」



海に行った時のように走ることはせずにゆっくり歩きながらさっきコンビニで買った肉まんを食べながら学校に向かう。



「だって、あたし学校に用事があるし、次郎とこうやって学校に行って騒げる日はもうないから」



「…そうだな」



「次郎と高校の廊下でさ、再会した瞬間すごいびっくりしたの覚えてるよ」



「俺は瞬きを何回もしたぞ」






あたしが2生生になって、廊下を友達と歩いている時だった。



前を歩いていた男子がいきなり止まるから、あたしは前の男子の背中に勢い良くぶつかってしまった。



『いって…』



『あ、ごめんなさい』


鼻をさすりながら前にある背中に謝る。



『いや、俺もいきなり止まったのが悪かっ……あ』


目の前にある背中が振り返ってブレザーのボタンが見える。


そして、声がした上を見上げた。




『あ』



『やっぱり、な』



目の前に役半年前に出会った中学生が現れた。


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