斜め上75度の景色。
「おい、雛子っ!どこに行くんだよ!」
「海っ!」
「は?海?」
いざ決めたら即行動のあたしはすぐに次郎を引っ張って走る。
「なぁ、雛子」
「なに?」
「俺、学年末近いんだけど?」
「知ってるよ、あたしもその道通ったんだから」
「じゃあ、後輩の成績に支障を兆すような事をするのは先輩としてどーなんですか?」
「こういう時だけ後輩面するな!
それも次郎は学年トップなんだから1日サボったって別にいいでしょ!」
「まぁ……俺だしな」
次郎は、あたしの腕を強く後ろに引いた。
「うわっ、次郎なにすんのよ!」
「俺は引っ張っられるより、引っ張る方が好きなんだよ」
そう言うと、勢い良くあたしの腕を引っ張って走った。