斜め上75度の景色。
「すごい楽しかったよね」
「あの時もギャーギャー言いながら食べたよな」
「そうそう。あたしが誘っておいて、全然食べられなかったんだよね」
「俺が7割食って優勝したんだよな」
「それで優勝して、その時に年を聞かれてお互いの年が分かったんだよね」
『彼氏さんは何歳なんですか?』
『あー、先月15歳になりました』
『彼女さんは?』
『あたしは先月16歳になりました』
お互いが発表した瞬間、大きくした目と目が合う。
『『…え?』』
『15(16)になった!?』
「あん時は、相当ビビったな。まさか雛子が年上だとは思わなかったし」
「あたしだって、次郎が年下だとは思わなかったよ」
お互い年を知ると、中学生と高校生という大きな壁を感じ、何も言わずに優勝トロフィーを司会者に返して無言で友達の元に戻ったあたしたち。