『短編』理想の上司
課長が部屋を出ていくのを確認すると、あたしは、はあぁぁぁと大きく息を吐いた。
動揺してるの、絶対バレバレだ。
恥ずかしい。
課長はあんなことしておいて、どうして普通にいられるの?
きっと、課長にとっては大したことじゃないからだよね。
あたしは何度も深呼吸をして、気持ちを落ち着かせようとした。
けれど、鼓動は早いままでどうにもならず、顔も赤いまま急いでデータの集計に取りかかった。
どうにもこうにも集中できないままとりあえず集計を済ませ、財務課にメールを送信し、あたしは一仕事終えて大きく深呼吸をした。