『短編』理想の上司


「パンツ見えそう」

「なっ!」

……なんと?

今、なんとおっしゃいました?

「そんな短いスカート履いて。誘ってるの?」

そう言った永瀬課長は、今までに見せたこともない意地悪そうな笑みを浮かべた。

あたしはとっさに姿勢を正して、スカートの裾を何度も手で押さえた。

「あんまり遅いから俺も来ちゃったじゃない」

俺?

課長、いつも自分のこと、『僕』って言うのに。

変!

変だよ!

すると、課長はさらにあたしに一歩近づき、あたしの顎を指で押し上げた。

そして、鼻先がつきそうな距離で囁いた。

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