沢山のありがとうを君に
「ぷはぁー」


「初めての文化祭お疲れ様」


「ありがとう。花梨」


「何かあった?」


「ん?どうして?」


「何か売り込み行ってから様子が変だったから」


「ばれちゃいましたか」


「やっぱりなんかあったんだ」


花梨には敵わないな

隠し事をしても直ぐにバレてしまう

見分けるのが得意なんだろな

言うしかないよね


「今日ね、売り込み行ってたときに元カレを見た感じがしたの」


「元カレってあの?」


「うん。あの元カレが。けど、奏真は私が生きていることもこの学校に居ることも知らないはずなの。なのに居た感じがするの。私のただの勘違いかもしれないけど」


「そっかぁ。そんなことがあったんだ。洸太には話したの?」


「話してない」


「話しといた方がいいんじゃない?」


「今日帰ったら、話してみる」


「そうしな」


「心配してくれてありがとう」


「友達なんだから当たり前」


優しいな

だから、安心して花梨には話せる

こんな私を友達と言ってくれるし

私は幸福者かな

大阪に来てから私に幸せがずっと降りてくる感じがする

洸太に出会って、洸太に恋をして、花梨や章吾、雛と友達になって楽しい毎日が送れて、お母さんやお父さんもみんな優しいし

この幸せがずっと続けばいいのに

神様、どうかこのままで居させてください


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