菜の花の君へ
入学して2週間、間に入る休みもあってそろそろ講義以外のことにも目が向いてきた頃である。
「ねぇ、智香はサークル何にする?」
そう言って腕をひっぱっているのは高校のときのクラスメートだった高塚那美。
講堂と広場の両方で、いろんなサークルの勧誘と説明会が行われていた日だった。
ドンッ!!!
「あ、す、すみません。見学に気をとられてしまって・・・」
「君たちは新入生だね~!いやぁ~初々しくていいなぁ。」
「へっ??」
「僕は湯河直弥3回生。そこの野外活動サークルの副部長をしている。
ぜひ、入らないか?」
口調は強引でワイルドな感じだが、どこか上品な王子様キャラ的笑顔で智香子と那美は話だけとりあえず、きいてみることにした。