菜の花の君へ
予想に反して智香子に逆につめよられ、和之は言葉につまったが意を決したように智香子を自分のベッドに押し倒して覆いかぶさった。
「ほら、2人きりならこんな状況になるのは簡単だ。」
智香子は横を向いて少し震えて言った。
「私と離れていた間とか、ときどきお泊りでいないときってこんな状況を作ってたの。」
「な、何をいってるんだ?」
「べつにかずくんの過去を詮索したり、誰と付き合っていようと私には関係ないけど、私のプライベートだけじゃまするようなことはやめ・・・くっ・・・うぅ・・・」
和之は智香子の唇をふさぐように唇を押し付けてきた。
「おまえのプライベートにいきなり踏み込んだのは今に始まったことじゃない。
施設からおじいさんに引き取ってもらってからずっと、おまえのプライベートに存在していたかったし、好意を持ってくれているのがうれしかった。」
「どうして・・・遠い大学に行くって出ていってしまって、同居しようってもどってきて学校でも家でも気のない素振りばかりで、それでどうして今になってこんなこと・・・。
私はやっとふっきれてきたかなって思ってるのに。」
「ふっきれただと・・・!」