菜の花の君へ
智香子の言葉に和之は再び智香子を押さえつけキスを繰り返す。
「うぁ・・・ん・・・」
智香子はなんの抵抗もできないまま頭の中が混乱していた。
「智香・・・時間をかけすぎたのかな。俺は。
ふっきってもらっては困る。
若かった俺は、こうやって体も心もできていない少女のおまえを傷つけたくはなかったから・・・出ていくしかなかった。」
「えっ・・・」
「ずっとこうして抱きしめたかった。けど・・・俺には責任がとれないことがわかっていた。
じいさんからもくぎを刺されていたんだ。
智香子を本気で好きになるなら、きちんと家庭を守れる男になってからもどってこいってな。
仕事も決まって、そろそろってときにおまえが俺の生徒になってしまったのはショックだった。
何度も、制服を着ているおまえに手を出しそうになった。
そんなことをしたら、余計に目標が遠のいていく結果は誰でもわかるよな。」
「そんなに苦しいのにどうして同居なんて申し出てきたの?」
「あたりまえだろ!もう移動する親戚がなかったじゃないか。
もしも、水商売なんかに行ってしまったら・・・なんて考えたら俺がどうのこうのなんて言っていられなかった。
そんなことになってしまうくらいだったら、先生の職を解かれてしまう方がまだましだ。
でも・・・がんばっただろ?」