菜の花の君へ

時は流れる

翌朝、智香子が食堂にいってみるといつもより食卓がとても小さくなっていた。
・・・というより、本来のテーブルが撤去されていた。



「あの・・・私はどこに座ればいいんですか？」




「食器が置いてあるところしかないと思うが。」




「いいんですか？真正面でお向かいですよ。」




「君は４人にも満たない家族で食事しようとするときに、１０人掛けの椅子の端と端で食事したいと思う人物だったのかい？」




「そ、それはまぁ・・・ここに来たときはびっくりしちゃいましたけど。
どうして今日にまた・・・テーブルが小さくなっちゃったのかと驚いただけです。
これって普通のお家の４人用ダイニングテーブルですよね。
これだけ大きな食堂にあるととっても小さく感じるし・・・。」



「食事中に大きな声をはりあげて会話をしたかったのならもとにもどすけど。」



「そ、それは・・・困りますよ。やっぱり。」



「クスッ・・・真面目にそのとおりに想像するな。クククッ
表情がコロコロかわるたびに空想に浸っているのがわかるぞ。」