菜の花の君へ
男の名前は平永和紗(ひらなが かずさ)といい、和之と同い年の28才で和之が小さい頃いた施設での親友だった。
彼は和之が坂下家で過ごすようになった後に、里親が決まり、中学生のときには和之とまた再開して、友人としての付き合いがあったという。
和之と競り合うほど頭脳明晰でハイスクールはアメリカに留学していた。
その後、和之から実の弟の存在と助けてやってほしいと頼まれたため和音のそばで働くようになった。
しかし、最近は和音への嫌がらせや身の危険を覚えるほど危ない予告もあり、平永からわざと社長失脚を投げかける状況を作ったという。
「和音さんを社長から降ろすんですか?」
「申し上げにくいんですが・・・その方法しか生命の危険すらあります。
今の、如月織物ははっきりいって腐っている。
いや、もともと彼の親父さんが社長のときも腐りかけていたんですが、社長は社員たちの生活のために、まっすぐ真面目に会社を立ち直らせたんです。
本当いうと、もっとしめないと、一部のバカ重役たちが悪い経営をしているので前社長の亡くなる前に近づいている状況なんです。
そして・・・このようにいよいよ悪いヤツらは私や社長を支える社員に実力行使で攻撃してきました。
私たち社員は離れればいいだけのことですが、社長が今の調子じゃ殺されかねない・・・。
だから、私は・・・。最初は強情に社長を続けるとおっしゃっていましたが、最近、彼は少し変わりました。
もう会社に興味はなくなったとおっしゃられてね。」