菜の花の君へ
平永は病院に着くとすぐに手当を受け、警察の聴取にも応じたのだった。
和音にも連絡を入れると、和音はすぐに病院にかけつけると返事があったので智香子は病院の横のカフェで和音を待っていた。
すると、携帯電話が鳴り、平永が病院のロビーにきてほしいと言ってきた。
智香子は和音に病院のロビーで平永と待っているとメールを送ると病院のロビーへともどった。
「治療も聴取も終わりましたし、社長に事情を説明してお詫びをいったら今日は自宅へ帰らせてもらおうと思って。」
「ひとりで帰れますか?もしよかったら、和音さんが来たらうちに来ませんか?」
「ええっ!」
「うん、うちで事情をお話すればいいわ。
何だかさっきも込み入ったおはなしみたいだったし、うちでご飯をいっしょに食べながら、これからのことも相談したらどうでしょう。」
「でも・・・あなたはあの屋敷で肩身がせまいのではないですか?」
「え、どうして?」
「いや、和之の奥さんと言っても社長より8つも年下でしょう?」