菜の花の君へ
王子と囚われた姫
田所千夏(たどころ ちなつ)27才。
和音と同い年で、和音の父親の友人の娘で父親どうしの間では子どもたちを結婚させたいという話ももちあがっていたらしい。
和音の父が千夏の優秀さと未来を見つめて、秘書として雇った。
父親が亡くなってから平永和紗と同格扱いで和音の秘書となったが、以前からの重役たちとのパイプ役の色が濃く、和音自身とは接点が薄かった。
そんな千夏が会社を救ってほしいとやってきた。
しかし、その会社の複数の重役から和音は疎まれ、身の危険までさらされてきたため和音はとても了解はできなかった。
「だから私と結婚して建てなおせばいいんです。
私はあなたのお父様からぜひと言われてやってきました。
重役からの信頼も厚いですし、私が頼めば素直に動いてくださいます。」
「そう言えと言われてきたのかい?」
「私は何も頼まれていません!
ただ、あなたが出て行かれてから、トラブルがいろいろあって支払いもままならない部署が出てきました。」
「当然だ・・・。バカな父親が古いやり方1つだけでゴリ押しするような仕事の仕方なんて今の時代でやっていけるわけがない。
いや、我がままくらいならまだいい。
父は重役たちの会社に損害をかける無駄行動をとめることもせず、時には自分もいっしょになって社員たちの稼ぎをドブに捨てるような行為もしていた。
いよいよそれが明るみに出そうになるたびに、僕に助けを求め、アイデアを出すように強要し、僕はできるかぎりの穴埋め行動をしてきた。
でも・・・その僕も、身がもたなくなってきたからね。
逃げ出すのがやっとだった。
なのに、君は親父にでもなったつもりなのか!」
和音と同い年で、和音の父親の友人の娘で父親どうしの間では子どもたちを結婚させたいという話ももちあがっていたらしい。
和音の父が千夏の優秀さと未来を見つめて、秘書として雇った。
父親が亡くなってから平永和紗と同格扱いで和音の秘書となったが、以前からの重役たちとのパイプ役の色が濃く、和音自身とは接点が薄かった。
そんな千夏が会社を救ってほしいとやってきた。
しかし、その会社の複数の重役から和音は疎まれ、身の危険までさらされてきたため和音はとても了解はできなかった。
「だから私と結婚して建てなおせばいいんです。
私はあなたのお父様からぜひと言われてやってきました。
重役からの信頼も厚いですし、私が頼めば素直に動いてくださいます。」
「そう言えと言われてきたのかい?」
「私は何も頼まれていません!
ただ、あなたが出て行かれてから、トラブルがいろいろあって支払いもままならない部署が出てきました。」
「当然だ・・・。バカな父親が古いやり方1つだけでゴリ押しするような仕事の仕方なんて今の時代でやっていけるわけがない。
いや、我がままくらいならまだいい。
父は重役たちの会社に損害をかける無駄行動をとめることもせず、時には自分もいっしょになって社員たちの稼ぎをドブに捨てるような行為もしていた。
いよいよそれが明るみに出そうになるたびに、僕に助けを求め、アイデアを出すように強要し、僕はできるかぎりの穴埋め行動をしてきた。
でも・・・その僕も、身がもたなくなってきたからね。
逃げ出すのがやっとだった。
なのに、君は親父にでもなったつもりなのか!」