恋花
この高校に入ったのは大地に誘われたから。
広瀬大地は私の幼馴染で、普通にカッコよくて中学でもモテていた。
二人共、学力が同じくらいだったため、この高校に2人で行くことになった。
だけど、見事にクラスが離れた。
私は2組で、大地が5組。
私はクラスで一人だった。
そんな時、声をかけてくれたのが安堂香澄のグループだった。
香澄はキレイな顔立ちで、モデルみたいだった。
香澄のグループは、香澄、愛奈、未来の3人。
私は3人が大好きで、いつも4人で行動していた。
その中でも、愛奈とはすごく気があった。
好きなアーティストも、服の系統も、好きな人のタイプも・・・。
2人だけで買い物へ行ったり、どちらかの家で遊ぶのもすごく多かった。
「優羽だ~いすき!」
愛奈は丸顔で可愛くて、優しかった。
いつも笑ってた。
そんな愛奈が大好きだった。
「優羽、あたしたち、ずっと親友ね!」
嬉しかった。
「何があってもあたしは優羽を裏切ったりしないからね。約束する。」
信じた。
絶対愛奈は裏切らないって信じてた。
だけど、そんなの結局口だけだったんだ。
ある日、香澄が好きな人ができたという話題でもりあがっていた。
「で?だれだれ?」
未来がせかす。
すると香澄は顔を赤らめながら、
「・・・5組の・・・広瀬大地君・・・。」
「ええ!?だ・・・大地っ?!」
思わず叫んでしまった。
「優羽ってば、声大きい!」
「ご・・・ごめん・・・。」
まさか、大地が好きなんて・・・。
「優羽、広瀬君のこと知ってるの?」
「幼馴染なんだ。」
「そうなんだ・・・いいなぁ。」