恋花

 「よかったら、メアド教えようか?」

 「え?いいの?!」

 「うん!」

 私は、大地のメアドを教えた。

 「ありがと!」

 「いえいえ~。」

 「3人で、香澄の恋、応援しようね!」

 愛奈の言葉に、私と未来はうなずいた。

 「3人ともありがと~!」

 その日、私はいつもより機嫌がよかった。

 初めて、人と恋バナをした。

 そんな些細な事が嬉しくて。

 私は浮かれてたんだ。

 学校が終わり、校門へ向かうと校門に大地がいた。

 「優羽ー!」

 こちらへ向かって手を振る大地。

 「だい・・・」

 大地、何?って言おうとしたとき、ふいに香澄の顔が浮かんだ。

 だめ。

 応援するって決めたんだから・・・。

 一緒に帰ったりなんかしたら香澄がショックを受けてしまう。

 「優羽?」

 大地に顔をのぞかれ、我に返る。

 「あっ・・・。ごめん。何?」

 「何って、帰ろうぜ?」

 「ごめんっ。今日、用事あるんだ!」

 とっさについた嘘。

 「何の?」
 
 「ええっと・・・。あの、急いでるから!ごめん!ばいばいっ。」

 大地から逃げるように学校を後にした。

 家に向かって歩いていると、香澄からメールが来た。

 ”大地くんとメールできたよ~(^O^)/ 
  
  優羽のおかげ!

  ありがとうね!”

 嬉しかった。

 香澄が喜んでくれて。

 

 

 

 
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