恋花

 何度もメールを読み返していると大地からメールが来た。

 ”話あるんだけど。”

 話?
 
 なんだろ・・・。

 何?と返信したら、家に行くって返ってきた。

 家に帰って部屋にもどる。

 カバンを置いた瞬間、家のインターフォンが鳴った。

 ・・・大地だ。

 制服のまま玄関を開けると予想通り大地がいた。

 「話って何?」

 「その前に、安堂ってだれ?」

 あー・・・。

 「香澄。私の友達。ごめん。私が教えた。」

 「んー。ま、いいや。」

 「で?話って何?」

 「あーいや・・・えっと・・・。」

 「何っ?何も無いなら家入って良い?」

 「俺、好きなんだ。優羽のこと。」

 「は?」
 
 「ずっと・・・好きなんだ・・・。」

 今まで、幼馴染だった。

 だから、私にはそんな感情はなかった。

 「ごめん。私、大地のことそんな風に見たこと無い・・・。」

 大地のことを1番傷つける言葉だったのかもしれない。

 だけど、嫌われた方がましだ。

 私は、香澄の恋を応援するって決めたから。

 「幼馴染だったら好きになっちゃいけねぇのかよ!?」

 今にも泣きそうだった。

 小さいときから私を守ってくれた大事な幼馴染。

 ごめんね。

 傷つけたね。

 最低の人間だね、私。
 
 

 
< 4 / 8 >

この作品をシェア

pagetop