君にあげるたった一つのもの。
第1章 見つけたもの、見つかったもの
「いってきまーす!」

大きな声とともに学校へ向かったのは、私、

宮野 曖璃(みやの あいり)。

今日から、中学2年生。少し毒舌なせいか、友達ができにくいんだ。

タッタッタッタ。

後ろから走って来る足音。どんどん音が大きくなる。

「おっっはよー!」

?誰?

「あのぉ~」

「そうそう、オレ、早坂 龍。よろしくなっ!」

「…よろしく。」

「クラッ!友達いないっしょ?」

「あんたみたいな馬鹿正直な人も友達いないでしょ?」

「はい。おっしゃるとおりです;」

「フッフ。あんた面白いね。」

「なァ!俺たち友達になろうぜっ!」

友達?私と、龍が?

「好きにすれば?」

「わかった!友達なっ」

「…うん。」

こんなやつ、友達がいなくて、当然だよ。

正直言って、龍って、正直すぎ。

「じゃあなっ!俺先に学校いくから!」

「あっそ。」

また龍は、走ってる。






―教室―

龍の周りに女子がたくさんいる。

はっきりいって、気持ち悪い。

何で、あんな事できるかが、チョー気になる。

ガタッ

龍にきずかれないようにしながら、座る。

よりによって、龍とクラスになるなんて。

「あっ!朝の!」

チッ。よりによって、1分30秒後にばれるとは。

「どーも。。。」

「相変わらず、暗いなァ。もっと、明るくなれよっ!」

お前に言われる筋合いはない。

ツーか、あんたの周りの、女子がさっきから私の事にらんでるんですけど。
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