君にあげるたった一つのもの。
結局龍と同じで、自己紹介といいながら、名前とよろしくの言葉だけ。


―帰り道―


「曖璃!」

後ろから声が聞こえる。

「曖璃!」

とうとううるさくて、いやいや返事した。

「なんか用?」

「よかった~間に合って。一緒に帰ろうぜっ!」

また、龍。

「なんで、一緒に帰らないとなの?」

「友達だから。いやか?」

「好きにすれば。」

「じゃあ、帰ろう♪」

「別に。」

「何で、友達できないだ?」

「あんたになんで教えないとなわけ?」

「ただ、興味があるから。」

からかうなら友達にならなくてもいい。

「…毒舌だから。」

「それだけ?」

「それだけ。」




分かれ道。いつもより、ちょっと楽しかった。

…。恋ってなんだろう。





次の日


下駄箱を開けて靴を履こうとした。

でも、そこには靴はなく、置手紙がおいてあった。

くだらない。

私がこんなもの読むと思ってんのか。

ありえない。

靴が無いとやばいから、手紙は、読む事にした。

―靴がほしければ、中庭にきて。―

こんな手紙誰が書いたんだ?

まァ、いいや。とりあえず行こう。

何があっても、泣かないようにしよう。

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