ベッドタイムストーリー
Exelent Resort八重山倶楽部
「嫌だあ。そんなことまでしなくてもいいよ。」
結婚前、透はアパートで一人暮らしをしていたから、二人でそんな場所に足を踏み入れたことがほとんどなかった。
「環境を変えればなんとかなるんじゃないかと思うんだ。」
透は諦めずに言った。
「それで、コスプレしてくれよ。
チャイナドレスとかさ。スケスケの下着もいいな。」
目を輝かせ、子供がおもちゃをリクエストするような言い方に、琴美は可笑しくなり、くすくす笑い出した。
「それで、脇舐めるの?」
琴美がいたずらっぽく言うと、透は「おう。」と嬉しそうにうなづく。
それは、透が好きで以前よくやっていた遊びだった。
透は琴美の脇が大好きだと言う。
それをされると琴美はくすぐったくて笑いを堪えるのに必死になってしまう。
環境を変えたい、という気持ちは分かるが、ラブホテルでは、降矢と透を比較してしまいそうだった。
「イマイチムードがないなあ。それって男目線だよね。」
琴美が拗ねたようにいうと
透はすぐに代替え案を提案してきた。
「じゃ、旅行行こう。南の島。もうすぐ夏休みだし。
いいホテルで開放的なエッチしよう。犬を飼う前に。」
南の島、と聞いて、琴美は上半身を起こし、嘘!と思わず大声を上げた。
掛けていたタオルケットがぱらりと落ち、意外に豊満な琴美の乳房が露わになった。
新婚旅行で9年前、ハワイに行ったきり、そんな場所には無縁だった。
結婚してから、旅行といえば、透の福島の実家への里帰りとワンシーズンに一度、透に付き合ってスキーをしに一泊するくらいがせいぜいだった。
「本当?嬉しい~絶対行きたい!
どこに連れていってくれるの?」
イヤイヤをするように琴美は身をよじって言った。
「そうだなあ。海外はナシだな。長時間の飛行機は疲れる。沖縄にしよう。」
そう言うと、透は琴美の腕を取り、引き寄せ、琴美の身体をきつく抱き締めた。