ベッドタイムストーリー
透の本心は嫌ではないことが分かり、安心した。
「じゃ、七時までまだ時間たっぷりあるから、ディナーでエッチな話しなくていいように、今からする?」
琴美は透の耳元で囁いた。
「おう!いいね。やるか。」
透は、自分のジーンズの膝をぱん!と手のひらで叩く。
「じゃあ、透の好きなもの見せてあげるね。」
透には、ランジェリーのことは内緒にしていた。
琴美が部屋の遮光カーテンを勢いよく閉めると、まだ外は夏真っ盛りなのに、部屋の中は突然夜みたいになった。
透がベッドサイドのライトを点けた。
その明かりを頼りに琴美は旅行鞄から巾着を取り出した。
「なんだよ。何が始まるの?」
透は嬉しそうに訊く。
「待ってて。
ちょっと着替えてくるから。」
巾着には、あのベビードールが入っていた。
バスルームで着替えるつもりだった。
「あ、それから。」
琴美は一旦バスルームから引き返し、ユリにもらった薬をビタミン剤だと言って、透に差し出した。
一時間前に飲めといっていたから、もう飲まないと間に合わない。
ふうん、と言って透はその錠剤をコーラと一緒に飲み下した。
目を覚ますといつもと部屋の様子が違った。
「あれ…?」
天井に吊り下げられたファンの付いた照明器具。
暗い部屋の中で琴美は気付いた。
(…ここは沖縄の島だ…
旅行で透とこの部屋にいるんだ…)
ふと横を見ると、透は隣のシングルベッドでトランクス一枚だけの格好で仰向けになっていた。
さっきまで、透の寝ているベッドで琴美たちは、濃厚な時間を過ごしていた。
それで透は疲れてしまい、再び眠ってしまったのだろう。
バスルームで着替えた琴美がピンクのベビードール姿で透の目の前に現れた時、透は「すげえ!」と言って大喜びし、飛び上がらんばかりの勢いで、琴美の身体に武者ぶりついた。
ものすごく興奮してくれた。
ユリのくれた薬も効果があったのか、どちらが大きく作用したのかはわからないけれど、久しぶりに一つになれた。
そして、ふたり同時に果てることが叶った。